糖尿病療養指導コース 第2回
食事療法
糖尿病の食事療法とは
糖尿病の食事療法は、血糖値をコントロールし、合併症を予防するために欠かせない治療方法です。
特別な食事に変えないといけないわけではなく、食べてはいけない物があるわけでもありません。
一日の必要摂取エネルギーを超えるような過剰な摂取を避け、栄養素をバランス良く摂る事によって血糖値の上昇を抑え、安定させる事が食事療法の目的です。
食事とインスリンの関係
食事をすると、糖尿病でない方も血糖値は上がります
→血糖値が上がると、体がそれを感知して、
すい臓がインスリンを分泌し始めます。
→インスリンによって細胞の中にブドウ糖が運ばれ、
血液中の糖が減ると血糖値が下がります。
糖尿病患者さんは、この「インスリン」が必要量分泌されていない場合や分泌のタイミングが遅い事が原因で血糖値が下がりにくい状態になっています。→このことが高血糖状態となる原因です。
食事の内容や、量によっては、血糖値が急激に上がり沢山のインスリン量が必要となる事や血糖値の急激な上昇に合わせて、急に沢山のインスリンが必要となり、その結果すい臓に負担をかけてしまうことになります。
つまり「食事に気をつける」という事は…
★インスリン分泌量を最小限にすることができる。 ★緩やかな血糖値の上昇にすることができる。 |
その結果すい臓の負担を軽減し血糖値をコントロールする事ができるということに繋がるのです。
これらの理由から、薬を使って血糖値をコントロールしている患者さんであっても、食事療法は有効であり必要であると言えます。
食事と運動によって血糖値が改善されてくると、インスリン注射や薬の量を減らすことも検討することができます。
1日に必要なエネルギー(カロリー)量は?
ステップ1 ~標準体重を知る~
身長(m)×身長(m)×22=標準体重(kg)
例) 160cmの人の場合 |
ステップ1 ~必要エネルギー摂取量を知る~
標準体重(kg)×30=1日に必要なエネルギー(Kcal)量
例) |
食事療法のポイント
- 腹八分目でストップ!1度にたくさんの量を食べない
- 間食を減らす
- 食物繊維を多く含む食品を食べよう!
- 食事を抜かず1日3食!
- よく噛んで15分以上かけて食べましょう
バランスのよい食事とは
ごはんやパン、麺類などの炭水化物に合わせて、たんぱく質となる卵、肉、魚、牛乳、ビタミンやミネラル、食物繊維の多い野菜を組み合わせて食べることにより血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
これが、バランスよく食べることの目的です。
また、野菜→肉→ご飯のように炭水化物を最後に食べる「順番食べ」をすることでも食後の血糖値を抑える効果があります。
無理な食事制限をするのではなく、小さな変化を毎日続けていく事が、食事療法において最も重要な事であると言えます。
食事療法について、わからない事があれば管理栄養士にご相談いただくことができます。
お気軽にスタッフにお声かけくださいね!
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